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PhysX

2010/07/15 19:00:18

レビュー: Auzentech X-Fi HomeTheater HD サウンドカード(後編)


Auzentech X-Fi HomeTheater HD

1. Auzentech X-Fi HomeTheater HD とは

Auzentech X-Fi HomeTheater HD(以下X-Fi HTHD)は、米国のメーカー Auzentech がCreative社製サウンドチップ「X-Fi」を用いて、独自にデザインしたサウンドカードである。X-Fiのサウンド処理能力を生かしつつ、アナログ段を含む周辺回路を独自設計とすることで、より高いクオリティを目指した製品といえる。更に、インターフェースとしてHDMIを搭載する事で、AVアンプを中核としたホームシアターユースにも対応した製品である。

今回、Auzentech様より製品をお借りしたので、張り切ってレビューをしていきたいと思う。
・・・前編からの続き

3. ゲーム向け:サラウンドヘッドフォンでの使用

次に、ゲームユーザー向けとして、ヘッドフォンでの使用、特にサラウンドヘッドフォンでの使用についてレビューしたいと思う。

今回用意したヘッドフォンは「ROCCAT KAVE」。複数のドライバをイヤーカップに搭載し、リアル5.1chサラウンドを実現した力業のサラウンドヘッドフォンだ。
http://www.dospara.co.jp/5goods_parts/parts_detail.php?h=d&f=d&m=parts2&ic=104464&lf=0


X-Fi HTHD は、付属のマルチIOケーブルをボード背面のD-SUB端子につなぐ事でアナログ 7.1ch 接続が可能だ。従ってKAVEとの接続はアナログでも可能であり、4本あるミニジャックをマルチIOケーブルのフロント・リア・サブウーファー/センター・マイクにそれぞれ接続すれば良い。

しかし、X-Fi HTHD はどちらかと言えばデジタル接続を重視した設計であると思われるので、単にKAVEをアナログ接続していたのでは芸がない。ここであえてデジタルでの接続に拘ってみる。とはいっても、HDMIでAVアンプにつないでしまうとKAVEにつなぐ事が出来ない(筆者はリアル5.1サラウンドヘッドフォンがつながるAVアンプを持ってない)ので、一計を講じてもう一つの機材を用意する。ALLAのヘッドセット「AL-DP100V "EMOCION"」だ。
http://www.alla.co.jp/product01_007.html

このヘッドセットに付属している「デコーダアンプ」を流用する。デコーダアンプについている光端子は角型なので、X-Fi HTHDとの接続にはコアキシャルを用いた(ケーブルはAL-DP100Vに付属)。
AL-DP100Vのデコーダアンプは Dolby Digitalに対応しており、内臓のDSPでデジタル信号から5.1ch分の音声をデコードし、3つのミニジャックからアナログで出力する。従ってKAVEとデコーダアンプはそのままミニジャックで接続可能だ。尚、コネクタの色が一致していないので、接続の際は以下の表を参照して頂きたい。

KAVEのプラグデコーダアンプのコネクタ
FRONT
REAR
CEN/SUB


なんだか回りくどい様だが、X-Fi HTHD の機能を活用する為、あえてこのような構成にした。

3.1. X-Fi HTHD の設定

さて、ここで注意が必要なのは X-Fi HTHD の設定だ。ゲーム用途で5.1ch環境を構築する場合、通常だとSPDIF接続は利用できない。なぜなら、ゲームソフトは殆どの場合、サウンドデバイスへ5.1ch分の音声を単に出力しているだけで、Dolby Digital といった規格のデジタル信号にエンコードはしてくれないからだ。従って、何も設定しなければSPDIFからデジタル出力される音声信号は「リニアPCM」、つまり左右2chのみの音声に限定される。(HDMIからはマルチチャンネルのリニアPCMが出力される。AVアンプにつないでゲームする場合はこちらを利用してほしい)

この状況に対応する為、X-Fi HTHD では Dolby Digital Live 及びDTS Connect(Vista以降のみ)に対応している。これは本家 SoundBlaster X-Fi Titanium シリーズでも標準対応しており、マルチチャンネルのオーディオを Dolby Digital や DTS Interactive にリアルタイムエンコードしてくれる機能だ。


今回のレビューでは Dolby Digital Live を使用して Dolby Digital をSPDIF経由でAL-DP100Vのデコーダアンプに入力、最終的に KAVE を5.1chで鳴らす事にする。

尚、 AL-DP100Vのデコーダアンプは最大で192kHzまでのサンプリング周波数に対応しているが、XP環境下においては96kHzまでしか出力設定ができないので、96kHzに設定。イコライザを含むその他のエフェクト類は全てOFFにした。





3.2. ゲームの設定

レビューに使ったゲームタイトルは、筆者が最近ヘヴィーにプレイしているFPS「Battlefield Bad Company 2(以下BFBC2)」である。ご存じの通り、秀逸なサウンドワークが特徴的なシリーズだ。筆者は既に270時間以上プレイしており、そろそろマンネリ化してきたかな?と言った状況である。これが、X-Fi HTHD と KAVE を用いる事で、どのように化けるのか?お楽しみである。

さて、X-Fi HTHD からサラウンドを出すために BFBC2 側でも設定が必要である。まず、スピーカーの数を 5.1ch = 6ch に設定しなければならない。以下の手順を参照のこと。
  1. 「マイドキュメント\BFBC2\settings.ini」をメモ帳などで開いて、 SpeakerCount の値を "6" に変更する。
  2. サウンド設定を「ホームシアター」あるいは「WARTAPE」に設定する。今回は「WARTAPE」を使用する事にする。インゲームの設定画面で、サウンド設定を変更。
  3. (一応)ゲームを再起動

以上で設定は完了である。

3.3. 早速プレイ!

セッティングが済んだので早速プレイ!

AL-DP100Vデコーダアンプ側で、「DIGITAL」のランプが点灯している事を確認。Dolby Digital Liveが有効になっている証拠である。
適当なサーバーにJOINして出撃。

・・・やだなにこれすごい。普通のヘッドフォンでプレイしたときとは明らかに臨場感がちがう。テンションのあがり方が半端ない。
足音がはっきり聞こえる。走り回るだけで楽しい。
射撃時の爽快感も格別。撃ってるだけで楽しい。
射撃音に低音が追加され、普段とはまったく違った音になっている。
ヘリのローターのうなりもサブウーファーで再生されかなり迫力がある。
ウーファーで低音が鳴り響いたとしても、高音部が潰れたりはしない。
5.1chきちんと鳴り分けており、左右だけでなく、前後もちゃんと違いが分かる。

ただし、定位感で言えばスピーカーには及ばないのは致し方ないところか。
心配していた音の遅延については、全く気にならなかった。ほぼ違和感なくプレイ出来た。少なくともFPS用としては問題は無いと言えるだろう。

とにかく、サラウンド化した甲斐は大いにあり。マンネリ化していたところへ、再びプレイするモチベーションが高まったのは間違いがない。

また、AL-DP100Vのデコーダアンプを通した場合と、直接アナログ端子にKAVEを接続した場合とで、鳴り方がかなり違ったということを特筆しておこう。前者の方がかなり音質が良い様に聴こえ、より迫力のある音になった(特にウーファーの鳴り方がぜんぜん違った)。このあたりは接続するアンプの性能にもよる、という事だろう。

今回試した方法は、X-Fi HTHD のいっこ下のモデルである、X-Fi Forte 7.1(X-Fi HTHDからHDMI関連を除いたモデル)でも可能だ。ゲーム用途に限るなら、こちらを選択するのも良いと思われる。
http://www.auzentech.jp/site/products/x-fi_forte.php

3.4. その他、筆者が確認した仕様、制限事項など

・Dolby Digital Liveについて

外部入力の音声、特にマイク入力の音声にコンマ数秒の遅延が発生する。配信等をする人は特に注意が必要だ。ボイスチャットには問題無いだろうが、マイクをミュートしないと遅延した自分の声が聞こえてくるので、非常に喋りづらくなる。

有効にしている間は、ゲームだけでなく全ての音声が Dolby Digital にエンコードされる。メディアプレイヤーで音楽を再生しても Dolby Digital で出力される。問題点というわけでは無いかもしれない。X-Fi CMSS-3D Surroundを有効にすれば2chのソースでも恩恵に与れるかもしれない。

ON から OFF に切り替えたときにデジタル信号が出力されなくなる。再起動すれば直る。バグ?
また、切り替え時にはデジタル特有の「ジッ」というノイズが出る事がある(これはアンプのせいかもしれない)。切り替え時にはボリュームを落としておいた方が良いだろう。といってもKAVEのボリュームが利かないので、ミニジャックを抜くしか無い訳だが。

Dolby Digital Live有効状態でも、アナログ出力は行われる。

ミキサのマスターボリュームが効かない。同様にミュートも効かなくなっている。WAVEチャンネルの音量は変更可能。マスターボリュームを変更できないのは若干不便。

・入力ソースについて

本製品では、AUX、マイク、LINE IN は排他使用となり、同時に入力する事は出来な い。

・PowerDVD 10 について

HDMI出力(デコードされていないロスレス信号)はVista以降のみ対応。

・ HDMI接続について

マルチチャンネルのリニアPCMを出力可能。

3.5. レビューで使用した環境

・PC

CPUIntel Core i7 920 @ 4GHz
MBBIOSTAR TPower X58
PowerSeasonic SS-600HM
CPU CoolerTRue Black 120 REV.C + 12cm FAN x 2 (メーカー&型番忘れ)
MEMCorsair CM3X2G1600C8D x 3 (6GB)
VGAZotac GTX285 Amp! Edition (Driver: 197.13)
SoundAuzentech X-Fi HomeTheater HD
HDDSeagate ST3160827AS (OS), Seagate ST3500630AS (DATA)
OSWindows XP Professional (DirectX9)
モニターBENQ FP241WZ
KBMITSUMI KFK-EA4XA
マウスRazer DeathAdder
マウスパッドSteelSeries QcK+
ヘッドセットROCCAT KAVE + AL-DP100Vのデコーダアンプ
光学ドライブDVD-Rコンボドライブ
プレイヤーソフトPowerDVD 10 Ultra

・ホームシアターシステム

AVアンプDENON AVC-S500HD(DENON DHT-S500HD付属)
スピーカーDHT-S500HD付属(フロント+サブウーファー) + DENON SYS-S500CS(サラウンド+センタースピーカー)
スピーカースタンドサラウンドスピーカー用にDENON ASS-80-K(2脚セット)
モニターBENQ E2220HD(いい加減でっかいテレビにしたい)


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